原因を個人に追及する『なぜ』の繰り返しはチームでおこなうべきではない
上司と部下の間で『なぜ』を繰り返して問題を追及する際は、とりかかる前に『目的の共有』が必要です。その前提として『個人の能力にそれほど差は無い』ということの認識が必要です。
チームで『なぜ』を繰り返すことの目的は環境に関する原因追及であり、原因改善による再発の防止です。見つかった原因に対して、できるだけ効率的にリソースを使って対応して再発を防止するのが目的です。
このブログでも度々書いているかとは思うのですが、問題の原因を個人の属人的なところに求めると失敗します。属人的なことが原因だとしたら、その原因に対する改善もまた属人的なものになります。つまり、誰かを悪者に仕立て上げてその人に詰め腹を切らせるか、誰かを間抜けとしてその人に「能力の不足が原因だから頑張れ」というしかない。そうすると、上司であったり周りの人間ができることは無くなってしまいます。つまり、次回の再発防止の為に周囲ができることが無くなってしまうというわけです。これでは効率的ではありません。
個人の能力にはあんまり差がない、というのもまた重要です。もちろん、積み上げてきた学力であったり思考の厚みによって差はあります。が、会社とかで同じグループに属している人間は、だいたい同じような能力です。飛び抜けて能力が有ったり頭がいい人間は同じ場所には集まり難いです。ということは、同じようなミスを同じような能力を持った別の人がやってしまうことだって当然有る、ということです。問題の原因をミスした人に押し付けてしまうということは、他の人が同じようにミスをして問題を起こすことを抑止しないということになります。
よって、問題の原因を個人に追及してはならないのです。
目的はあくまでも『環境や状況に潜む問題を追及すること』であって『ミスをした人を責めるためのこと』ではない、と共有することです。ミスした本人が自問するのは一人でやってもらうことであって、その場でやることではありません。その辺りが共有されていないと、ミスした側は詰め腹を切らされるという意識しか持てず、結果何も変わらないということになるのです。
引用元のようなエントリーが出るということは、コミュニケーションが不足しているのではないかな、と思います。