議事録ってなんだか面倒だなと思った人に贈る、議事メモという考え方
会議の際に議事録を残すという習慣が企業組織などにはあります。学生時分では議事録を書く機会も少ないと思いますので、新社会人になると戸惑う人も結構多いのではないでしょうか*1。
いきなりやれと言われてできるような器用な人は、そうは居ないでしょう。なので、今回は議事メモの取り方について、コツを書いてみたいと思います。議事録よりもシンプルで簡単に面倒なく、気軽な感じで書くメモという位置づけです。
A4ペラ一枚程度に収める
まず根本的な話になるのですが、資料というのは何のために書かれるのでしょうか? それは、読まれるためです。ではなぜ読まれる必要があるのか? それは、情報を伝えるためです。読み手に情報をスムーズに伝えられるものであるほど、良い資料と言えます。銀河英雄伝説みたいな大作となった資料類を読む気はするでしょうか? 少なくとも、私はしませんw
よって、できるだけシンプルな方が良いです。おおよそA4ペラ一枚程度にまとまっていれば、読み手に負担を掛けずに情報を与えられます。また、この程度なら読み手も読んでみようと思えるでしょう。逆に、A4に収まらないような大作になってしまう場合、不要な情報が入りすぎているか、会議の内容自体が散乱してしまっていた可能性が高いです。内容を見返してみましょう。
プレーンテキストで書く
MicrosoftWordなどのOffice製品やワープロソフト、PDFなどで資料が配られることがあります。ですが、小さい資料においてはそう言ったアプリケーションでの作成は不要、というよりも逆にデータの扱いがややこしくなるので避けたほうが良いです。
プレーンテキストであれば、メールで共有するのも、共有した内容をメールソフトで検索するのも簡単です。テキストファイルとして保存しておいてテキストエディターでgrepするなどしてすぐに過去ログを探すこともできます。これがPDFやWordファイルだと、一つづつ開いて探して、とかなり面倒。人は面倒なことは避けようとしますので、そういった資料はどんどん読まれなくなります。読まれない資料は形骸化して、サーバーの肥やしになってしまうというわけです。
要素ごとにまとめて、宿題→決定事項→新たな課題+過程の構成にする
議事録で必要な情報は基本的に4つ。宿題・決定事項・新たな課題・過程の主要4点です。会議とはこの4点を決めるためにやるためのもの。なので、これらは押さえる必要があります。
また、主要4点を散発的に書き入れた資料は、やはり読みづらいものです。要素ごとに固めて記述するようにするのが良いでしょう。
上記の並び順は、私が思う重要度順です。それは人によって異なるでしょう。重要だと思う方を先に記述するようにすれば良いと思います。
宿題
誰が・何を・いつまでに・どうする という文章で書きます。省略として、何を・いつまでに・どうする(誰が)と書いても良いと思います。
細かい文章の話になりますが……たまに、名詞だけ書かれたToDoを目にすることがありますが、名詞だけだと「あれ? ◯◯をどうするんだっけ?」となりがちです。かならず、どうするのかを書きます。
また、誰が、がないと誰もやりません。面倒なことはやりたがらないものですね。なので、名前を書く必要があります。あれ? 私がやるんだっけ? とならないように。
決定事項
特に取り立てることもなく。
新たな課題
会議で生まれた、新たな問題や課題です。これが、次回の会議の課題になるわけです。
会議で生まれた課題をその会議中に片付けようとする人が居ますが、それは避けたほうが良いと思います。ケースバイケースですので、急ぎ対応が必要ならば別ですが、その場合も会議が終わってから別会議として開いたほうが良いでしょう。
一つの会議でたくさんの課題をこなそうとすると、収集がつかなくなるものです。
過程
一般的に議事録と言われたときに最も想像されやすい部分です。なんとなく、会議の会話の内容がすべて書かれるようなイメージもありますが、それはやめましょう。時間の無駄です。ここには決定事項に対する対案と、決定事項が選ばれた理由を書きます。
対案と決定理由を書いておくことで、後々に議事録を観た人が「◯◯という方法もあったんじゃないの?」「どうしてこうなったの?」という疑問を持たなくて済みます。疑問を持つ人が居るとその疑問を解決するためにまた会議を開いたり説明する時間が掛かったりと、無駄に無駄が重なるわけです。
所感は入れない
別に入れてもいいですが、大体の場合、時間の無駄です。面倒でしょう?
実例
上記を踏まえると、こんな感じのメモになります
課題 :春の家族旅行の行き先について
参加者:パパ・ママ・ケンちゃん
日時 :2011/02/28
・宿題
3月10日までにディズニーランド周辺のホテル状況を調べる(パパ)
すぐに有給の申請をする(パパ)
ディスニーランドカタログをチェックする(ママ・ケンちゃん)
・決定事項
春の家族旅行はディスニーランドに行くことに決定!
期間は◯月×日から一週間!
・新たな課題
ホテルをどこにするか……
・過程
春の家族旅行はどこが良いか?
露天風呂付きの温泉宿に行きたい!(パパ)
沖縄に行きたい!(ママ)
ディズニーランドに行きたい!(ケンちゃん)
→温泉宿には季節的に冬に行きたい。また沖縄は旅費が掛り過ぎる……。
温泉も沖縄も子供には楽しくないだろう。
→ディズニーに決定!!
家族旅行をするとして、パパは休めるのか?
休みは確定していない。急ぎ有給申請する→宿題へ
行ったことがない場所で楽しめるか?
あらかじめカタログを見て乗りたいライドを選んでおくこと→宿題へ
宿泊はどこにするか?
ディズニーランド周辺のホテルだけでたくさんある模様。値段調査が必要なため、次回持越し→新たな課題へ
まとめ
議事と言っても堅苦しく考えることはなく、要するに「何をするように決まったのか」が解ればそれで良いです。難しく考えすぎて山のように文章を書き、結果、誰も読まないような資料になってサーバーの肥やしになるよりは、気軽に書いて共有したほうが遙かに良いですね。
議事録を書くというのは、会議の全容を把握するということにかなり近い行動です。できて損はないことですので、まずはこういった議事メモから練習してみてはいかがでしょうか。別に議事録と呼ばれるまでカッチリした資料でなくても、この程度でも充分に有用なものですよ。
追記:実例に日時と参加者を足しました。ご指摘くださった id:daresore さんに感謝。
*1:私はかなり迷いました。数年前当時はそれほどネットにも議事録の書き方などが見つからず、四苦八苦した覚えがあります。