新社会人に贈る、言葉のパッケージ
新社会人に贈るシリーズ、最後のエントリーです。今回は、今までのエントリーのまとめと、エントリーをなるべく簡潔にするために書ききれなかったことを追加してお贈りします。
はじめに - 社会に出るということ
この今の日本の労働環境は、社会全体であったり業界毎であったり会社毎であったり色々ですが、様々な問題を孕んでいます*1。問題は今後も是正されて行くべきだとは思うのですが、それを我々が解決するのはとても難しいことですし、なにより時間が掛かることです。
社会人になるということは、そういった問題のある環境の中に飛び込むということです。喩えるなら、罠が仕掛けられた極寒の洞窟に宝物を取りに赴くようなものです。そんな中で武器や防具は疎か、防寒具まで忘れてしまったらどうなるでしょう。あっという間に凍え死ぬかモンスターに丸呑にされてしまうかのどちらかでしょう。
システムエンジニアとして社会に出て7年。今までこの短い間に数多くのうつ病患者を見てきました。私自身も、うつ病まで至らないまでもうつ状態に陥ってしまって投薬生活をしたことはあります。それを経て思ったのは、人それぞれに幸せの形はあるということ。そして、社会の中でその幸せを得るためには、最低限の『武器(能力)』と『防具(心構え)』が必要だと言うことです。
私がこの一連で言いたいのは「とにかく死ぬな、その為にほんの少しだけ強くなろう。そして幸せになろう」ということです*2。
そして、そのために必要最低限だと思う『武器(能力)』と『防具(心構え)』を私チョイスで選んで言葉にしたのが、この一連のエントリー達です。
『武器(能力)編』
新社会人に贈る、仕事の基本 - 仕事の進め方
社会の一員として、というよりも組織の一員として活動するときに最も効率よく動ける方法を並べたエントリーです。
もっと細かく掘り下げて行くことも可能ですが、それはやりながら各々のスタイルを身につけてもらえれば良いかと思います。
時間は有限で、お金では買えないものです。時間を投資して学ぶも良し、大事な人との大事な時間を過ごすも良し、更に仕事に費やすも良し。その為にはまず効率良く動いて時間を生み出すことからです。
新社会人に贈る、最初の半年間で習慣化した方がいい基礎的なこと
半年と書きましたが、一年掛かる人も二年掛かる人もいるかも知れません。偉そうに言いながら、私はここに書いてあることに気付いてできるようになるまで数年以上掛かっていますから。今でも完璧かと言われたら、完璧ではありません。日々自戒しながら、明日はもうちょっとこうしようと思いながら生きています。
習慣化すると言うのは、実は何気にとても難しいものでも有ります。特に、ある程度活動パターンが固定されてからの習慣化は実に難しい。だからこそ、新社会人としての最初の、活動パターンを作り上げる中に習慣として盛り込んで欲しいと思います。
社会人になってから勉強するための細かいコツ
社会に出ても勉強することは無くならない、それどころか増えるばかりです。ほんと、人生は日々勉強とはよく言ったもんで。とは言え、やっぱり時間は有限。学びたいことが決まったら最短で得たい。そこで、私流の勉強のコツを集めたエントリーです。
ちなみに、このエントリーは何かの資格を取得するまでを想定しています。特にコンピューター系の資格を取りたい人に勧めたいと思います。
と、同時に一つ進言。よくコンピューター系の資格を取ろうとする人に「そんなの取っても意味がない」という人がいます。定期的に出現します。確かに取っても効果がないような資格もありますが、資格を持っていることの大事なポイントは「その資格をとるために勉強をした」ということなんです。見る人はそこを見ます*3。
『防具(心構え)編』
学生の人に感覚を掴んでもらいたい、学生生活と社会人生活の違い
学生生活と社会人生活の差をゲームに喩えてみました。学生の方がなんとなくでも社会人生活を想像する助けになれば、と思い書いたエントリーです。
「社会は甘くない」という人と「社会は意外と甘い」という人が居ますが、どちらも正しいのでしょう。その人が学生生活ないしはそれ以前の生活から社会生活にスムーズに感覚移行できるかできないか、そこの違いだろうと思います。
全ての状況でこの喩えが当てはまるとは言えませんが、なんとなくでも違いを知っておくことで心の準備ができるのではないでしょうか。
新社会人に贈る、『うつ』にならないための心得十箇条
最初に洗い出したときは十どころか数十あって、その中から厳選したものです。
「うつ」には大まかにいって、2種類あります。脳内物質のバランスが崩れてしまう場合と、ストレスなどが原因で起こるもの。前者は、一般的に言われる『うつ病』です。後者は、いわゆる『うつ状態』で、そこから『うつ病』になる可能性があります。このエントリーでは後者についての事前予防です*4。
人によって風邪を引きづらい・引きやすいがあるように、うつになりやすい・なりづらいはありますが、完全にならないとは言えません。なので、最低限予防をしましょう、という話です。冬になると手洗いうがいをして風邪を予防しますよね?花粉症の季節になると、過敏気味な人はマスクを付けて予防をします。同じことです。
ただ、うつは難しい病です。残念ながら、完全に予防することはできません。だから、『これで万全』と思わないでください。必要があれば精神・神経科、心療内科に掛かることも考えてください*5。
『うつ病』に関してはとてもデリケートな問題ですので、また別個掘り下げようと思いますが、ただ一つだけ、覚えておいて欲しいことが有ります。実は殆どの病気が「完治」できないものだ、ということを*6。一度虫歯になった歯は削って埋めることで治癒しますが、元通りの歯は生えてきません。元通りになることを完治と定義するなら、虫歯は完治しません。ですが、元のように噛んで美味しく物を食べられるようにはなる。他の病気もそうです。元通りになるということは、殆どありません。ですが、幸せになる方法は探せる。
『うつ病』であることを気に病むこともさることながら、『つらい状況ではなくなったけど以前とは違う』ことを気に病む必要も有りません。ありのままの自分でいていいのです。『つらいと思いがちな自分』も否定しないでいてあげてください。
『アクセサリー(番外)編』
「ありがとう」って、言ってますか?
毎日何かに感謝しながら生きていれば、それだけで少し幸せになれます。
「ありがとう」って言うのはタダです。そして効果は無限大。なにか些細なことでも「ありがとう」と。その言葉が会社の中でのコミュニケーションを円滑にしてくれることと思います。
おわりに - ライフハックとはなんだったのか
ここまでライフハックを並べてきました。どうでしょうか、有益そうな情報はありましたか?
ここで、最後に一番大事なことを。
ライフハックは色々な知識人の失敗や成功を集めたもので価値があるものですが、それが全てあなたの生活にジャストフィットするとは限りません。また、絶対の法則というのもありません。山に登るのに色々なルートが有るように、物事には色々なアプローチの仕方が有っていいのです。
ライフハックとは、まさに人生をより良く過ごすための道具です。使い易い道具であれば愛用すればいいし、使いづらければ手放してしまえばいい。ライフハックに縛られないで。これがこのエントリー最後のライフハックです。
明日から新社会人と言う人も多いでしょう。大変なこともあると思いますが、お互い頑張りましょう。そして幸せになれますように、願いを込めて。
*1:問題を孕んだ世界を正しいとは思わない。でも問題を孕んでいても、それが世界です。完璧な世界はどこにもない。
*2:なにもマッチョになる必要はないけどね。ゆるマッチョくらいで。なぜかはてな界隈ではマッチョ派とウィンプ派が両極端なので、私のようなブロガーはどちらからも爪弾きですw
*3:実際に資格が必要になるシチュエイションもありますけどね。私の経験では、基本情報は最低限持っていないと案件参加不可、とかありました。また、効いた話では有りますが、IT講師が資格の有無を尋ねられて持っていないと答えたら講演依頼が消えたという話もあります。状況次第です。
*4:なので、分けるために『うつ病』という表記はどこにもしていません。
*5:ただ、私としては、それは最後の手段にして欲しいです。以前にとある薬を処方されていた頃、明らかに攻撃性が上がっていて、人間関係に一部ヒビを入れてしまい修復不可能な状態にしてしまいました。完璧な投薬や治療はありえず、苦痛を和らげるために別の部分に影響が出るようの思います。
*6:完治の定義にも依りますけど。