Wolfram|Alphaは「Googleキラー」ではない
先日公開された『Wolfram|Alpha』について。
私も使ってみましたが、似たような感覚を抱いた人の記事がありましたので言及。
まず、Wolfram|AlphaはWebを検索しない。Wolframが維持し、絶えず更新しているナレッジデータベースを検索する。それに Wolfram|Alphaの使い道はGoogleのような検索エンジンとは異なる。だが、Wolfram|Alphaの見た目が検索サイトに似ているために誤解してしまう人がいるのだろう。
「weather Boston 1998」で検索
「C E G Bb D F# A」で検索
上がボストンの1998年の天気。下が音階ですね。
私が凄みを感じたのは、おのおの天気と音階を別のものだと「認識」した上で、情報をストックから引っ張り出してきて表示している、という点*1。こっちが何を求めているのか、をキーワードから想定している。これは確かにgoogleとはぜんぜん違いますね。インタフェースが似ているので、近しいものかと思いきや、そもそもWeb検索してないとは、という。
Wolframはデータを常にアップデートしているため、Wolfram|Alphaは数学や科学以外の分野の詳細な質問にももっとうまく答えられるようになるはずだ。同サービスはWebを検索しないが、セマンティックWebアプリケーションに求められる要素を多く持っている。
病院に例えると、ググル神様をネットワーク完備の大学病院とするなら、Wolframは腕は確からしいと評判の町医者とかでしょうか。
ググル神法だと、ヤブ医者や研修医みたいなのに当たるか名医に当たるかはその時まで解らない。最新医術を受けられる可能性があるが、その真贋を見抜けるだけの能力がないと求める施術が受けられないかもしれない。
Wolframだと、親切なことにこちらが聴きたい内容をカウンセリングで汲み取ってくれ、しかもそれに合わせた最適な診断を下してくれる。十分に吟味された技術もある。ただ、町医者なので最新医術からは遠いかもしれないし少人数の知識に依存してしまうという難点もある。
いま受ける印象はこんな感じです。
どちらがいいかというのは難しいですね。引用記事にもある通り、両方を使いこなすことがロード・オブ・情報強者なのかも知れません。どちらのサービスも今後どんどん変わっていく可能性はあるので、現段階で決めうちはできませんけれど。
面白いけどきりがないなあ、技術開発。
関連エントリ:Wolfram|Alpha 登場 - じゃがめブログ
*1:今はまだ対応できる単語が劇的に少ないようなので、期待できる結果までは返ってこないですが