じゃがめブログ

毒にはなるが薬にはならない、じゃがいもの芽のようなことだけを書き綴るブログです。

簡単おいしい焼き豚のつくりかたと豚肉の生食に関する余談

 誰でも簡単にできて美味しい焼き豚(というより煮豚に近い)の作り方をTwitterに投稿したところ、togetterにまとめていただいておりました(AsmodeusDB氏による「焼き豚を作ろう!」 - Togetter)
 そちらから抜粋です。画像はURLから観られます。レッツ焼き豚!

作り方(Twitterより抜粋)

余談

 上述していますが、豚肉の内部の温度は必ず63度程度になるようにしてください。これは肉は温度が65度を越えた辺りから水分を失いタンパク質が硬くなるため、美味しくいただくための上限ギリギリの温度ということでもありますが、それ以上に、ウィルス・菌・寄生虫のリスクを減らすためです。およそ63度を維持することで、食中毒や寄生虫リスクは大幅に減らすことができます。豚は肉にも内臓にもリスクが多いものですから、気を付けて召し上がりください。といっても、あまり難しく考えることはありません。現在一般に使われている炊飯器の保温機能を使うと、だいたい63度くらいになるようです(一応、温度計で肉の温度の確認はしてください)。

 63度という温度についてもう少し追記いたします。余談の余談で余談が少し長くなりますが、もう少しお付き合いを。

参考情報:USDA Revises Recommended Cooking Temperature for All Whole Cuts of Meat, Including Pork, to 145 コF

 日本の情報で温度が明記されているものが見つかりませんでしたので、米国の情報ではありますが日本語訳されたものを抜粋します。

米国農務省(USDA)は、豚肉、ステーキ、ローストおよび骨付き肉を安全に加熱するための推奨事項を更新する。今回の変更では、すべての塊肉について、料理用温度計で肉の最も厚い部分の温度を測定して 145 °F(約 63℃)になるまで加熱し、切分けまたは喫食前に肉を 3 分間置いておくこと(rest)を推奨している。 (略)USDA は、豚塊肉の安全な推奨加熱温度を 160 °F から 145 °F に引き下げ、3 分間の肉を置いておく時間を追加する。牛、子牛、子羊の塊肉については、安全な加熱温度は 145 °Fのまま変わらないが、USDA は今回、調理に関する推奨事項に 3 分間肉を置いておくことを追加している。生の豚肉、ステーキ、ロースト、骨付き肉は 145 °F まで加熱し、3 分間置いておくことで、肉を微生物学的に安全な最高品質の製品に仕上げることが期待できる。

食品安全情報(微生物)No. 11 / 2011(2011.06.01)国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部

 昨今、牛レバーの生食が禁じられたことを受けて豚レバーに流れる人が居ます。が、豚肉は生食には適さないものです。先程も申し上げた通り、ウィルス・寄生虫・菌のリスクが高いのです。

 豚レバーの生食を『文化』と呼ぶ人もいらっしゃいます。ですが、食文化というのはもう少し深く醸成されるものでしょう。「何か新しい食物を発見したが、リスクがある」→「なんとか無毒化できないか」→「なんとか美味しくできないか」→「なんとかもっと美味しくできないか」→……という積み上げが文化です。例えばふぐには毒がありますが、食べても問題ない調理法が確立され、更に美味しく食べるための調理法ができあがった*1。そこまで積み上がって初めて文化と呼べるのではないでしょうか。

 豚のレバーにはどのようなリスクがあるのか。どうすれば食すことができるようになるのか。どうすれば美味しく食べることができるのか。制限のあることです。レバーは加熱すればややパサパサになってしまう。低温調理をしても、(ガチガチに焼くよりは柔らかいですが)硬くはなります。が、そういう制限の中にこそ新しく面白い豚レバーの調理法という文化が生まれることを願います。

*1:余談の余談ですが、ふぐの刺身が薄切りになっているのは、ふぐの身が硬くて食べにくいためだそうです。富豪食いするのは「おいしくない食べ方」なんですね。