じゃがめブログ

毒にはなるが薬にはならない、じゃがいもの芽のようなことだけを書き綴るブログです。

プリキュア報道を擁護するエントリーを読んで

 一ヶ月ほど前から話題になっていることなので今更感があるのですが、今日もまたBLOGOSのトップに上がっていたので触れておきたいと思います。取り巻く状況は、Twitterでの発言やはてブを観察してみました。

 話題の発端になっているのはこちらのブログエントリー→プリキュアの報道は妥当 : アゴラ - ライブドアブログ

 要約します。

根拠:好むアニメと犯罪者数は恐らく相関があると私(参照元エントリー筆者)が考えており、同じように考える人がたぶん居る
結論:幼女に対する性犯罪容疑者と、容疑者がプリキュア好きであるという情報を関連付ける報道は妥当である

 要約するとスッキリしますね。要するに「『(自分が思う)みんな』が『プリキュア好きな人は犯罪を犯しそう』って思ってるから、その偏見を強めるような報道をしてもよい』ということです。

 根拠を観てみると、『恐らく相関がある』とするために数値を出して居るのですが、その数値がすべて仮定です。よって、これは何ら意味を持たないデータです。元エントリーにもあるように、単なる印象でしかありません。「私が考えるのと同じように考える人がたくさんいるから」というのも、なんの裏付けもありません。

 通常、根拠となるデータがある情報に対して反駁するには、また別の視点からとったデータを照らして妥当かどうか考えるものです。が、このエントリーでは、それがない。「私が関係あると考えているので覆したければデータを出せ」というのは、道理が通じていないことです。これでは議論にも対話にもなりません。

 また、エントリー中で「なぜ幼児性犯罪に対する嫌悪感が強いのか」「女性専用車両について」が引き合いに出されていますが、そのパラグラフはすべて本題と全く関係ないことです。全く関係ない情報を並べることで恰も繋がっているように見せるのは、一種の誤謬です。まともに論を並べたいのであれば、やるべきではないでしょう。

 よって、このエントリーの主張に根拠はない、と私は考えます。


 ちなみに、主張で肯定されている「幼児性犯罪者がプリキュアを好きだった」という報道は、あまり褒められたものではないと私は考えます。この報道の仕方って「今日、クラスの給食費が盗まれました。犯人は解りません。……そういえばヤマダくん、今日のお昼休みに教室に一人だったよね。だからといってどうということはないんだけどね。」と同じ話法になりかねないからです。

 人はまったく無関係な情報でも上手く並べられると相関があるかのように感じてしまいます。印象が作られる、ということです。それがひいては偏見になってしまう。あまりよろしいとは言えないでしょう。

 引用元の筆者さんは「私が『オタクは異常』という印象を持っているから報道しても良い」と言っていますが、これは逆で、これまで「『オタクは異常』という報道をしたことでそういう印象を持つ人が増えた」ということの結果なのではないかと思います。偏見を持っている人がいるからといって、その偏見を助長するような報道が正当化されるかどうか、ということです。私は『正当化されない』と考えます。

 なんというか、そもそもメディアによって作られる偏見の影響を受けることを正当化するためにメディア擁護しているようにも見えました。


 このエントリー書いてて思いましたけど、ほんとにどうでもいいことですよ、これ。この元エントリーの論理性で何かに影響を与えるということは無いと思います。正直な所、この程度のことをさんざっぱら罵倒する必要もないのでは、と思うのですが、いかがでしょう。

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