じゃがめブログ

毒にはなるが薬にはならない、じゃがいもの芽のようなことだけを書き綴るブログです。

『役割』を大事にする

 ちょくちょくTwitterで「経営者は社員の感覚を解ってない」という話をしますが、そもそも普通に考えて経営者と一般の会社員が同じ感覚のはずがありません。

 人の行動エネルギーの量というのはだいたいみんな同じようなものですが、経営者の人とかはとてつもなくエネルギーがあるように見えます。彼らはよくモチベーションがどうこうという本を書きたがりますが、そういうのを観ても分かる通り。ではそれは何故かというと、エネルギーが目減りしてないからってことなんですね。

 「こういうことをやるとこっちが立たないな」とか「もっとこう捻らないと迷惑を掛ける人がいるな」とかそういう考えはエネルギーを削りとってしまいます。思慮深い人ほど、他人から見たらエネルギーのないモチベーションが低い人のように見えます。逆に、思ったことをやり周囲を顧みない人はエネルギーがすべてそこに注がれるから、目減りしない。当然強い。

 経営者の仕事は会社に収益をもたらすことであるし*1、そのために全力を注ぐ必要があります。それが経営者という『役割』です。「こんなことをしたら社員から反発があるかも」とかいうようなことに思案してエネルギーを割くというのは、役割を満たさなくなるということに繋がりますから。故に、経営者はオラオラで周りをあんまり顧みなくても別に良いのです。

 ただ、それだけでは集団というのは成立しません。オラオラして周囲を顧みない人は、幾らお金を稼げる人でも「ついてけねぇべ」と思われて終了してしまうのがオチです。そこで必要になってくるのが、経営者イズムを理解しつつも一般的な社員の人間性も重視しつつ調整を図る、いわゆる中間管理職という『役割』になってくる。社員という役割と経営者という役割の間に入って、衝撃を吸収したりする、そういう役割です。

 ブラック企業と呼ばれているところの経営者は、概ね中間管理職というものに対して「オレイズム100パーセント」を押しこもうとしているんじゃあないかという気がしてなりません。よく、成功しているという経営者が本を出して語っているのも、そういう片鱗ではないのかな。そのやり方は中間管理職という役割に沿ってないですよね。

 経営者が中間管理職に関して、そういう『役割』も必要なのだと理解して育成する企業が発展したりするんではないかなあ、というのがここ最近感じるところです。

 だってね、100人の会社で考えれば、経営者といえば2〜3人くらいでしょうけれど、中間管理する人は10人は必要ですからね。これ、会社の規模が大きくなればなるほど加速度的に中間管理者は増えますから。で、人数が増えれば増えるほど、組織の中でのウェイトは重くなりますからね。で、そこがしっかりしてないと破綻しそうだな、というのはなんとなく解りそうなもの。

 いかがでしょう、世の経営者のみなさん。『中間管理職』の育成に力を入れてみては。自分と一般感覚の社員の媒となりうる存在としての役割を。もし既に存在するなら、もう少し重視してみても良いのかも。そんな風に思う今日この頃です。

*1:大雑把に言えば全会社員がそうではありますが